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| 離型油を塗らなくても焼いたパンがパカッと型離れするのが「パカットベイカー」の最大の特徴 |
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| 「パカットベイカー」には、様々な形と大きさのものがラインナップされている |
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| 出荷を待つ「パカットベイカー」を梱包した段ボール箱。製パンメーカー以外に、焼肉店などの飲食店にも出荷される |
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| モレックの本社工場。ここで「パカットベイカー」のシリコンコーティングを行っている |
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離型性に優れ、形と大きさが豊富で安価――アルミカップにシリコンコーティングを施したパンの焼き型が着実に出荷量を伸ばしていると聞きました。
原 「パカットベイカー」の商品名で主に大手製パンメーカーでの導入が進んでいます。離型油を塗らなくてもパンの型離れがいいのが最大の特徴です。
アルミカップにシリコンをコーティングしたものは、当社が開発するまでは、この世に存在しませんでした。「ケルカコート」の名前で特許を取得しています。
――離型性に優れていること以外にメリットはありますか。
原 製パンメーカーは頻繁に新商品を出しますが、その開発の際に「パカットベイカー」の形と大きさのバラエティーの豊富さが、大きく貢献しています。何か面白い商品を開発しようと思った時、様々な形や大きさが想定されると思いますが、「パカットベイカー」の場合は、どんな形でも大きさでも、ほぼそれに近いものが揃っています。
――「パカットベイカー」は使い捨ての焼き型ですか。
原 いいえ、使い捨てではありません。ただ、鉄やステンレスの型のように半永久的に使えるわけではなく、およそ50回使用したら、新しいものに変えて頂くようにユーザー様には伝えています。鉄やステンレスの型を使用した場合と比べると、コストがかなり安くなります。紙製のベーキングカップと比べても、コストはかなり抑えられます。仮に「パカットベイカー」が一つ50円として、50回焼成できるとしたら、1回当たりのコストは1円になります。紙製のベーキングカップは使い捨てで、1円ではとても買えません。
リテールベーカリーで使ってほしい焼き型――リテールベーカリーでも喜ばれそうですね。
原 そう思うのですが、宣伝不足もあって、リテールベーカリーではまだそれほど普及していません。リテールベーカリーの皆さんに、「パカットべイカー」の価値を理解して頂ければ、もっと使って頂けると考えています。油を塗らなくていいし、繰り返し使えるし、パンがスポッと抜けるし、色々な形と大きさがありますから。新商品を開発しても、必ず売れ筋商品になるとは限りませんので、「パカットベイカー」で様々な新商品を試作することもできます。
――「パカットベイカー」はとりあえず何個ぐらい導入すればいいですか。
原 例えば、「パカットベイカー」を使った新商品を1つ販売するとしたら、1日100個焼くとしても、それ用の「パカットベイカー」が50個あれば十分回していけます。毎日50個焼くのであれば、「パカットベイカー」50個で1カ月持つ計算になります。従来の鉄やステンレス製の型を50個揃えたら高額になるし、ロングセラーになるかどうかもわかりません。2〜3個揃えたとしても商売ベースにはのらないでしょう。
――焼き色についてはどうなのでしょうか。
原 アルミの型だと、焼き色が付かないのではないかと心配される方がいると思いますが、当社の「パカットベイカー」で焼いた場合は、焼き色は従来の鉄やステンレスの型で焼いた場合と比べても全く遜色がありません。
――リテールベーカリーの場合は、手の込んだこだわりのパンを作りたいという思いが強いと思いますが、その点はいかがですか。
原 リテールさんへ提案していることの一つに、「パカットベイカー」を使っての背の高いパンの開発があります。パンの高さを出せるのが、こうした焼き型を使うことの一つの利点だと思いますし、あんぱんやクリームパンも天板で焼くものだけではなくて、「パカットベイカー」を使って腰高の上品な感じの製品も出せば、大きな差別化になると思います。
通常はセルクルなどを使うのでしょうが、そうすると、保管する際にかさばるので、場所をとってしまいます。その点、「パカットベイカー」でしたら50個重ねても10センチ弱の高さにしかなりませんので、場所をとりません。
「パカットベイカー」の利点を伝えていきたい――リテールベーカリーには今後どのような販促活動をしていきたいですか。
原 「パカットベイカー」は、見た目が普通のアルミカップなので、シリコンコーティングが施してあるとは誰も思いません。ですから、「パンがくっつくので、油をしかなくてはならないし、納品のロットも最低1000枚ですよね」ということになってしまうんです。ですから、「油を塗らなくてもパンがパカッと型離れして、納品も最初は10枚単位で対応させて頂きますよ」ということを、リテールベーカリーの皆さまに地道に説明していくしかないと思っています。
――問屋さんを通しての販売は考えていますか。
原 もちろんです。問屋さんに卸す場合は1000個入りのケースの中に、100枚単位の梱包が10個入っているものを納入しますが、最初は100枚単位でも対応させて頂きます。
――パカットベイカーの開発に至った経緯はどのようなものだったのでしょうか。
原 ある製パン工場にお伺いした時に、従業員の方が油が入ったドラム缶に、アルミカップをつけていたんですよ。「何をやっているのですか」と聞くと、「パンがくっつかないように油を塗っているんです」という答えでした。油にアルミカップをどぶづけしていたんですね。辺り一面が油だらけでした。油焼けするし、パンもおいしく焼けないだろうなと思いました。それを見て、アルミカップにシリコンコーティングをしたらいいのではないかと考えました。
――「パカットベイカー」の開発はすんなりいきましたか。
原 アルミは熱伝導率が高く、すぐに温まってすぐに冷めます。ですので、コーティングに適した温度帯にアルミカップを維持する方法を確立するのが
かなり大変でした。しかし、現在では、自社工場で安定した製品を大量生産できる体制が整っています。