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| 連載/2019年10月号 |
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| 店の想いを客に好意的に受け入れてもらうには... - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(29) | |
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最近ある繁盛ベーカリーのオーナーシェフの講演を聞く機会がありました。閑古鳥が鳴いていたベーカリーが平均日商が70万の繁盛店になるために何をしたかについての話でしたが、その中で、そのオーナーシェフがパンのコンテストで1位になった時の話が印象に残りました。
彼によると、コンテストでは大事なことは、自分が出品製品をどんな想いで開発したかを、いかにして審査員に伝えるかだといいます。応募用紙に製品をどんな想いで開発したかを書く欄があったので、自分の想いを詳しく書き込んだそうです。「自分の想いが伝われば、審査員は好意を持って、製品の判断をしてくれるようになります」と話していました。 そして、このことが、彼が自分の店を平均日商70万円にまでするために行ってきた様々なことと重なりました。講演で彼が話した販促の様々な施策は、自分の想いを地域の人達に伝えるためのものだったということが、僕の脳の深いところに、稲妻が大地を引き裂くような感覚と共に突き刺さりました。 本誌の前号と前々号で、「店の想いを客にどう伝えるか」のテーマで特集の取材をしましたが、この時の取材内容とも重なりました。 自分が必要としている人に自分を受け入れてもらうためには、まずは自分を判断してもらう必要があります。そのためには、その判断材料を提供しなければなりません。それが、自分(店)の想いを相手(客)に伝えることだと思います。店の想いがうまく客に伝われば、それが客の共感を呼び、客が店に対して心を開き、客と店との間の壁がなくなり、客は店のことを好意的に見てくれるようになるのだと思います。 「店の想いがうまく客に伝われば」と書きましたが、「うまく伝える」というのは、かなり難しいことです。パンに対して、そして客に対して、確かに深い思いを持っているのに、それがなかなか客に伝わらないケースも多くあると思います。 客にも店にもそれぞれ個性があるので、ある店でうまくいった販促の施策が、別の店でもうまくいくとは限りません。ですから、自分の店のコンセプトをブレのないところまで絞り込んだら、それをうまく客に伝えるにはどんな施策がいいのかを、客の反応を注意深く見ながら探り当てていくということをされているケースが多いと思います。 僕が聞いた前述の講演で、講師が紹介していた販促の施策も、そうした試行錯誤の中から選別されたものが定着したものだと思います。「店の想いを客にどう伝えるか」の特集での取材で教えて頂いた販促の施策もしかりです。 相手に好意を持って自分の考えを受け入れてもらうためには、その考えが論理的に筋が通っているかも大事ですが、それ以上に大事なのは、相手に好意的に受け入れもらうための情報伝達力です。全く同じ内容でも、うまく伝えられる人とそうでない人がいるのはそのせいだと思います。 僕がこれまで取材してきた繁盛店に共通していることのひとつは、効果的な販促の施策を考える際に、オーナーシェフの想いに心から共感するスタッフがいるということです。オーナーシェフとスタッフたちの生き生きとした共鳴音は、多くの場合、来店客の心にも共鳴し、「店の想いがうまく伝わる」ような気がします。 (RO) |




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