物流会社の敷地内にオープン - 夕日ベーカリー はまぱん - ブランスリー電子版


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お店拝見/2019年9月号

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物流会社の敷地内にオープン - 夕日ベーカリー はまぱん
物流会社の敷地内にある「夕日ベーカリー はまぱん」の外観。店舗の右側はイートインスペース
上質なメープルシロップを使用していて、ほぼ原価だという「メープルロール」(税込248円)
店長の五十嵐優妃さん
所狭しと100種類ものパン、焼き菓子、生菓子が並ぶ店内
入口は左。レジが店舗中央に位置し、売り場とイートインが左右に分かれている。厨房はレジの奥
トングとトレイのすぐ横の3段の陳列台には、あんぱんが上段、コッペパンが中段、クロワッサンや総菜系が下段に並ぶ
当初予定していた倍以上の盛況ぶり

 「朝日が昇ってくるのは山の方。だからここから、夕日が海に沈んでいくのが見えるんです。きらきらと海面に反射していい眺めですよ」
 太平洋側からやってきた記者に、店名の由来についてこう説明してくれたのは、JR新潟駅から北東に約10キロの場所に昨年11月、開業した「夕日ベーカリー はまぱん」の店長、五十嵐優妃さん。
 はす向かいには数年前に新設された大手米菓メーカーの大きな工場がある。同工場が建つ前は何もなかったそうで、「前の通りも交通量は少ないし、辺鄙な場所ですよ」と五十嵐さん。
 「こんな場所なんで、始めは私ともう一人くらいで作っていこうと思っていました。それなのに、プレオープンのときからたくさんの方が来てくださって、作ってはなくなり一時閉店というのを繰り返しでした。スタッフを増員し、ようやく一日通して営業できたなと思えたのは、オープンから数週間経ったときでした」(五十嵐さん)
 残業なし、週休二日の勤務体制がとれているという現在、製造スタッフは10人。土日は平日の2倍繁盛するとあって、「厨房で狭く感じながら10人総出で作ります」(五十嵐さん)
 五十嵐さんは現在子育て中だ。ほかのスタッフの中にも女性は多い。 
 「自分もそうですが、子育てや家事をしたり、休んだり、働く以外の時間も必要ですから、労働時間はしっかり管理しています」(五十嵐さん)
 こうした働きやすさが功を奏し、新たに入ったスタッフらのほとんどが、辞めることなく働き続けている。

「楽しい」という気持ちを持ち続ける

 開業前6年間修行した先は、県内の「石窯パン工房 サフラン」。「見に行ったお店の中で一番、楽しそうだったから」(五十嵐さん)同店に決めた。
 五十嵐さんは今こうして店長という立場となっても、「楽しさ」を追求する。平日でも、約100種類ものパン、焼き菓子、生菓子を所狭しと揃えるのは、選ぶ楽しさを大事にしているからだ。
 「私は、かたいパンが好きですけど、そうじゃない、ふわふわが好きな人もいます。それぞれ好みが違っても、みんなで来て選べる楽しさっていいなと思います。それに、今日はこんなのが食べたいとか、今はこういう気分だからとか、同じ人でも、その時々で変わってきます。毎日同じだったら飽きて、来たいと思えなくなってしまうでしょう。当店のパンは従業員でも、退勤時選んで買っていく人が多いんです。嬉しいことですね」(五十嵐さん)
 五十嵐さんがパン作りに興味を持ったのも、フランス菓子店で製造を担当していたとき、パンを作ることが「楽しい」と思ったからだという。
 「お菓子の製造と接客がメインで働いていたんですが、パンの製造もさせてもらえて、それが楽しかったんです。パンは朝作るので、楽しみで、朝早く出勤していました」(五十嵐さん)
 「メープルロール」(税込248円)などの生菓子や、「ビスコッティ」(税込108円)や「ブールドネージュ」(税込324円)などの焼き菓子、「クロワッサン」(税込183円)などのヴィエノワズりーには、当時の経験で得た技術が活かされている。
 税込248円のロールケーキ「メープルロール」は、一人前の一切れではなく、15センチほどもある大きさでこの価格。上質なメープルシロップを使用しており、ほぼ原価だという。
 「『メープルロール』だけを買う人はいなくて、必ずパンと一緒に買ってくれます。『メープルロール』は、お客様が足を運んでくれるためのアイテムとして割り切ったサービス価格です」(五十嵐さん)



2種類のソースやチーズ、卵などをのせて焼き上げた「はまエッグ」(税込216円)。長さ20センチほどもある大きさ
一番人気の「塩バター」(税込162円)。中はふわふわもっちり、バターがじゅわっと広がるおいしさ
「ナポリタン」(税込248円)など、たっぷりの麺類をサンドした総菜パン
「はまぱんだくん」(税込172円)や「うさぎちゃん」(税込172円)など動物がモチーフの菓子パン
社員食堂としての機能も持つ

 売れ筋商品は1位から順に、「塩バター」(税込162円)、「明太フランス」(税込226円)、「上食パン」(税込237円)などの食パン、続いて「はまあんぱん」(税込140円)などの菓子パンと続くのだが、特定の客から圧倒的な人気があるのは2種類のソースやチーズ、卵などをのせて焼き上げた「はまエッグ」(税込216円)や、スパゲティーの麺をサンドした「ナポリタン」(税込248円)などのボリュームたっぷりの総菜パン。
 実は同店、五十嵐さんの父親が経営する物流会社の社員食堂の機能も併せ持っており、ドライバーなど主に男性社員が毎日利用する。同店があるのも、同物流会社の敷地内だ。開業に至ったのも、パンはドライバーが車内で気軽に食べられることと、五十嵐さんがパンの修行をしていたことが重なったからだ。
 「ドライバーさんには、特に大きくてボリュームのあるものが喜ばれますね。毎日来てくれて、色々と気付いたことを言ってくれます。何も言わない人もいますが、父伝いに聞くこともあります。この前、ちょっとかたかったと言われて、乾燥しないように袋に入れて改善を図った商品がありました。そういうことは今までたくさんあって、その積み重ねでよくなってきていると思います」(五十嵐さん)
 同店はロスを出さない。それは社員食堂としての機能がうまく作用しているからだ。
 「閉店時に売れ残ってしまったものは、番重に集めます。そうすると、当店の従業員たちが退社した後でも、無人販売でドライバーさんたちが買ってくれるという仕組みです」(五十嵐さん)
 土日に多い親子連れに人気なのは、「はまぱんだくん」(税込172円)や「うさぎちゃん」(税込172円)などの動物がモチーフの菓子パン。チョコ味の目や鼻、イチゴ味の頬、メロン皮をかぶせた耳などパーツが凝っていて、中にカスタードやチョコクリームが入った手の込んだ作りだ。夏休み限定で販売している「クワガタ」(税込216円)と「カブトムシ」(税込216円)は、黒く艶のある色味や、つのや脚の付き方など、特徴がよく表現されている。
 「喜んでくれるから、それが嬉しくて作っています。毎日作っているので腕も上がって失敗のロスも出ません」(五十嵐さん)

SHOP DATA
店名:夕日ベーカリー はまぱん
住所:〒950‐3122 新潟県新潟市北区西名目所5507‐10
電話:025‐278‐2122
営業時間:午前6時30分〜午後6時30分
定休日:水曜
品揃え:約100品目
スタッフ:製造常時6〜7人、販売常時2〜3人
店舗面積:売り場10坪、厨房15坪、イートインスペース5坪
日商:平日約15万円、土日25〜30万円



この記事の読みどころ

●子育てや家事をする時間も必要だから、労働時間はしっかり管理している。
●従業員も、退勤時にパンを選んで買っていく。
●客に足を運んでもらうためのアイテムは、ほぼ原価で販売。
●父親が経営する物流会社の社員食堂の機能も併せ持つ

※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。



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