ベーカリー巡りをして得たものを糧に個性を磨く - The Bakehouse Lagom - ブランスリー電子版

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お店拝見/2025年1月号

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ベーカリー巡りをして得たものを糧に個性を磨く - The Bakehouse Lagom
店主の馬場宏幸さん
東急田園都市線青葉台駅から歩いて約12分のバス通り沿いにある「The Bakehouse Lagom(ザ ベイクハウス ラゴム)」
店内に入ると売り場のスペースは広めで、正面にパンが並ぶショーケースがある
少数ずつ焼き上げ、種類豊富に並べるようにしている。「カスタニエ」(税込430円)などデニッシュの彩りや成形の凝ったパンが、ショーケースを華やかにする(左上のサムネイルは、「カスタニエ」の断面)
大学芋やショコラ味の焼き菓子などを立体的に盛り付けたデニッシュ「たき火」(税込430円)
毎日のように新商品を開発している。「モルタデッラのクロックムッシュ」(税込280円)など、発売から間もない商品には新商品の札を付けて販売(右下のサムネイルはわさびの香りを効かせたポテトサラダやモルタデッラのハムなどをサンドした「モルタデッラのクロックムッシュ」の断面)
早朝に売り上げ発生のピークを作る

 神奈川県横浜市の東急田園都市線青葉台駅から約12分、バス通り沿いを歩いていくと、オレンジ色のひさしが目印の「The Bakehouse Lagom(ザ ベイクハウス ラゴム)」がある。
 店前の通りは朝から、通勤で駅に向かう人や小学校に通う子どもたちなどが行き交い、通行量が多い。同店の開店時間も朝5時と早い。
 「お客様が来てくださるなら、何時でも店を開けておきたいという思いがあります。厨房に朝2〜3時には入りますので、5時のオープン時にはサンドイッチを4種類ほど、7時にはパンを70種類ほど売り場に並べられるようにしています」
 こう話すのは店主の馬場宏幸さん。馬場さんは約15年の修業を経て2021年、同店を開業した。
 「開店して4年目となり、この地域の特性というか、お客様の嗜好や来店時間などがわかるようになってきました。その日の気温とか、季節によっても結構変わっていくんですよね」(馬場さん)
 冬冷え込んでくると早朝の客足は少し減るが、夏季は5時台に一定の売り上げがあるという。
 「小学生が登校の前におつかいで買いに来てくれたり、朝来てくれた方が、そのあと昼、夕方と1日3回来てくれたりすることもあります。ピークが昼だけでなく、朝と昼の2回になれば、忙しさを分散することもできますしね」(馬場さん)
 製造は馬場さんが一人で行っている。パン類や、「シフォンケーキ」(税込780円)などの焼き菓子を、一日を通して平日は90種類ほど売り場に並べる。
 「品揃えは、一つの種類につき多くても7〜8個と少数ずつ焼き上げて、その分、種類は多めにして、いつ来ていただいても焼きたてが揃っているようにしています」(馬場さん)
 豊富な品揃えにこだわる同店は、新商品の発売をほぼ毎日行っている。
 「新商品は、料理人の動画を見るときや材料の買い出しをする時など、普段の生活の様々な機会に考えることが習慣になっていて、楽しんで行っています。種類を絞って専門性を打ち出す方がいいかと考えたこともありましたが、新商品を楽しみにされるお客様も増えてきたので、今は逆に種類が多いことを当店の強味にしていけたらと思っています」(馬場さん)

ショーケース内を魅力的に演出する

 売り場は、入口を入った正面に奥行きのあるショーケースが一台。「里芋のフォカッチャ」(税込420円)や「海老ときのこのソテー春菊添え」(税込350円)、マロンのデニッシュ「カスタニエ」(税込430円)、「林檎のデニッシュ」(税込420円)など、季節の野菜が盛り付けられた総菜パンや、果物などで彩られたデニッシュなどの菓子パンが並ぶ。それぞれ成形も凝っていて、見て選ぶ楽しみを与えてくれる。
 「販売方法は、セルフか対面で迷いましたが、コロナ禍のオープンだったので、衛生面からショーケースでの対面販売に決めました。ショーケースでの陳列では、全体を見たときにできるだけ彩りよく、魅力的に見えるかどうかに気を付けています。果物で彩りを出せるデニッシュは、ショーケース全体を華やかに演出してくれます。その点でデニッシュは欠かせないアイテムですね」(馬場さん)
 また、ショーケースでの陳列では、クリームパンやあんぱんなどの定番商品の存在感が薄くなりがちだという。
 「クリームパンなどのパン屋の定番商品は、思った以上に出ないので、普通の見た目だとショーケース内で埋もれてしまうのではと思い、成形や仕上げを工夫してきました。焼くときにココット型を使ったり、クリームは包まずパンの上に絞って見えるようにしたりしました。『クリームパン』(税込230円)は今は、最初のグローブ型に近い形に戻りましたが、今後も定番商品こそ気を抜かず、試行錯誤していきたいと思っています」(馬場さん)



「バゲット」(税込340円)や「ロデブ」(税込390円)などのハード系はショーケース上に並ぶ(左上のサムネイルは、「バゲット」の断面)
一番人気の「カレーパン」(税込320円)や二番人気の「チーズフランス」(税込300円)などが並ぶ(右上のサムネイルは、「チーズフランス」(税込300円)の断面)
ショーケース横にある冷蔵ケースにサンドイッチが並び、その横に「シフォンケーキ」(税込780円)など焼き菓子が並ぶ
真似るのではなく別の表現を考える

 馬場さんはパン職人の道を決意した高校3年生の時から専門学校生の時にかけて、ベーカリーを1000軒以上回ったという。専門学校卒業後と合わせると、これまで2000軒以上のベーカリーを回った。
 「学生の時にしかできないことは何かと考えて、とにかく色々なベーカリーを実際に見たり、製パンに関することを勉強したりして、多少頭でっかちにしておこうと思ったんです。気になったことがあればお店の方に聞いたりしました。振り返ると、その時食べた味以上にお店の方とのやり取りなどが記憶として強く残っていて、それが今自分でパンを作るエネルギーになっているような気がします」(馬場さん)
 専門学校で製パンを学んだ後、都内のベーカリーに就職。その後、米国がベーカリーのワールドカップで優勝したタイミングで渡米、2年半の間修業し、米国製パン研究所の修了も果たした。帰国後開業するまでは、全国展開のチェーンベーカリーの店や、同店からほど近い場所にある「ベーカリー カフェ コペ」で働いた。
 「コペさんには専門学校の校外学習の時からお世話になっていて、今も子どもの保育園の送迎時などに、よく寄らせていただき、身近な存在です。コペさんは50年以上続いているお店ならではの、地域に愛されている完成された味があって憧れです。開業した自分としては、コペさんをはじめ、お世話になってきた様々なベーカリーを手本にさせてもらいながらも、商品や店作りに自分らしさを出していきたいと思っています」(馬場さん)
 注文後にクリームをサンドする「ミルクフランス」(税込300〜490円)は、馬場さんが他店で食べて感動した味を、ひとひねり、ふたひねりして開発。パンは「チャバタ」(税込160円)で、クリームは「ミルククリーム」や「ピスタチオクリーム」など4種類がある。価格は選ぶクリームによって異なり、「ミルククリーム」の場合は税込300円。
 「色々食べた中で一番だと思った味は、真似て再現することもできますが、そこから別のおいしさを切り開いて、別のものを作っていくことができたら、それが自分の店の個性になっていくと思っています」(馬場さん)

SHOP DATA
店名:The Bakehouse Lagom
住所:〒227−0067 神奈川県横浜市青葉区松風台21−8 ハイツ笹本1階
電話:045‐479−9345
営業時間:午前5時〜午後5時
定休日:日曜、月曜
品揃え:平日約90品目、土曜日約100〜
120品目
スタッフ:製造常時1人、販売常時1人
店舗面積:売り場約6・8坪、厨房約7坪
日商:平日約6万円、土曜約12万円



この記事の読みどころ

●客が来てくれるなら、何時でも店を開けておきたい。
●豊富な品揃えにこだわり、新商品の発売をほぼ毎日行っている。
●ショーケースでの陳列では、クリームパンやあんぱんなどの定番商品の存在感が薄くなりがち。
●これまで2000軒以上のベーカリーを回った。



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