夫婦2人のタッグで作るパンと料理が融合した商品 - MOHEJI BREAD KITCHEN - ブランスリー電子版

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お店拝見/2024年10月号

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夫婦2人のタッグで作るパンと料理が融合した商品 - MOHEJI BREAD KITCHEN
パン職人の森智砂さん(右)と、料理を担当する森拓也さん
ドイツのベーカリーをイメージした外観の「MOHEJI BREAD KITCHEN」。モスグリーンの外壁と吊り看板が目印だ
揚げずに焼き上げる「カレーパン」(税込270円)
上部がカリッとした食感になるよう成形して焼き上げた「塩バターパン」(税込170円)
自家製の塩豚をサンドした「塩豚とセミドライトマトのフィセル」(税込400円)
「アマンドブリオッシュ」(税込270円)はメロンパンの位置づけで販売。「メロンパンより油分が控え目でおいしい」と言うファンが多い
注文後仕上げる商品で品薄時の品揃えを強化

 神奈川県横浜市の市営地下鉄・踊場駅から徒歩5分、生鮮食品店やコンビニ、ドラッグストアなどが入る建物内に「MOHEJI BREAD KITCHEN(モヘジ ブレッド キッチン)」はある。
 外観は、モスグリーンの外壁や木目を活かしたドアなどがクラシカルな雰囲気を醸し出す。鉄製の吊り看板には、地元の駅名の由来となった猫が描かれている。パンを焼く擬人化した猫の姿だ。
 3〜4人でいっぱいになるほどの店内は、3段のショーケースにパンが並び、その両脇の壁には布製品や犬用の革製品など、販売用の雑貨が並ぶ。
 パンは毎日、11時頃に品揃えのピークを迎えるが、開店時間が朝6時30分ということもあり、その時点ですでに完売のパンもある。売れ行きは天候などでかなり変動するそうだが、取材した雨がぱらつく平日の午後1時近くにはショーケース内の半分以上が売れていた。
 パンが売れて空きスペースができたショーケース内に置かれたのは「注文後すぐにお作り致します」と書かれた札。客の「『夏野菜とタンドリーチキン』(税込480円)ありますか」の問いに、「お作りしますので4〜5分でご用意できます」と厨房から声が出る。追加焼き可能な商品のプライスカードは、下げずにそのまま置いておき、客の注文が入り次第焼きたてを提供する。
 同店で製造を担うのは、パン職人の森智砂さんと、夫で料理人の拓也さん。二人のタッグによって、料理とパンの融合と言える満足度の高い商品が生み出される。
 特にチャバタやフィセルを使ったボリュームたっぷりの総菜系は、同店の象徴と言える商品だ。豚のブロック肉にハーブや塩を馴染ませ、オーブンで焼き上げて作る塩豚をサンドした「塩豚とセミドライトマトのフィセル」(税込400円)や鶏肉やトマト、チーズをのせた「チキンのカプレーゼ」(税込490円)、「きのことベーコンのタルティーヌ」(税込400円)など彩り豊かな商品が10種類ほど揃う。
 「当店のパンは、味にパンチがあるので、具材はそれに負けないようにしっかり味を付けるようにしています」(拓也さん)
 「カレーパン」(税込270円)のカレーも、素材の味を活かした旨味たっぷりの味。カレーを包んだ後、揚げずにチーズをトッピングして焼き上げる。全体として油分が控え目でもたれず、老若男女に好評だ。
 「カレーは数種類の野菜やリンゴを煮込んでブレンダーにかけたものに、ヨーグルトに漬け込んでおいた牛肉を入れ、オーブンで2〜3時間煮込みます。子どもも食べられるように、リンゴに加えてさつまいもも入れてマイルドな辛さになるようにしています」(拓也さん)

早朝のベーカリーに深い思い入れ

 智砂さんは深夜2時30分頃から厨房でパンを作りを始め、朝6時30分に店を開ける。この早い開店時間には思い入れがある。智砂さんの母親の代から通っていたあるベーカリーの存在が大きい。
 「子どもの頃から、朝食のパンは近所のパン屋さんの玄米パンだったんですが、母親が朝6時頃買ってきてくれる焼きたてを食べていたんです。そのパン屋のおばちゃんには遊んでもらったりもして、家族ぐるみでお世話になっていました。いい思い出がいっぱいあります。将来はこのパン屋さんのように、生涯続けられる仕事に就きたいと思うようになり、高校生の時に進路を決めました。当店も、犬の散歩や公園で体操したついでに、朝早く来てくれるお客様が増えてきてうれしいです」(智砂さん)



食パンは角食「食パン」(税込400円)「イギリスパン」(税込400円)「玄米パン」(税込400円)の3種類
「夏野菜とタンドリーチキン」(税込480円)などのチャバタを使用した総菜パン
右は「チキンのカプレーゼ」(税込490円)、左は「きのことベーコンのタルティーヌ」(税込400円)
パンが並ぶ3段のショーケース。一日に約60種類が並ぶ
ベーカリー運営を生涯の仕事にしたい

 智砂さんは開業前、同じ県内の川崎市にあるベーカリー「パンメゾンもあ 小麦館」などで修業。また、知人の店のオープニングスタッフを務めるなどパン業界で20年以上経験を積んだ。拓也さんは製菓製パンを専門とする商社に15年勤務後、智砂さんの開業の夢を支えるべく料理店などで働いた。小さい子ども2人を育てながら、2022年同店を開業した。
 「私が厨房にいる時間が長いので、家事や子どもの面倒など、夫がかなりやってくれています。開業前の想定の1・5倍の売り上げで、それに比例するような忙しさでしたが、開業後2年の今、ようやく色々慣れてきました」(智砂さん)
一日に並ぶパンの種類は約60。食パンは、湯種を使った生地で作る角食「食パン」(税込400円)、「イギリスパン」(税込400円)、「玄米パン」(税込400円)の3種類だ。
 「実は食パン3種の生地は、同じ基本生地から作ります。角食と山食は焼き方でも違いを出しています。また『塩バターパン』(税込170円)は、本来はソフトフランス生地で作りますが、成形を工夫することでフランス生地で作れるようにしています。こうしたことで何とか、作り切れるように効率化を図っています」(智砂さん)
 「塩バターパン」は食べやすいよう、ソフトに焼き上げるが、上部はバゲットのようにカリッとさせ、食感の違いを楽しめるようにしている。
 同店は売れ行きだけでなく、売れ筋も日によって異なる。不動の一番人気商品も、特にないという。しかしロスパンで困ったことはこれまで一度もないという。一度だけ売れ残りが出そうになったことがあったが、最終的には近所の知人が買いに来てくれて、ロスにはならなかったという。
 「ちょっと売れ行きが悪いなと思う日は、閉店時間後も売れるまで開けるのですが、最終的には完売します。また、注文後に焼き上げや仕上げをする商品は、お客様に出来たてを提供できるメリットがあるだけでなく、ロス対策にもなります」(智砂さん)
 現在はテイクアウト専門の同店だが、今後はカフェスペースの展開も考えている。
 「来年春頃、隣が空き店舗になるそうなので、そこにカフェを作れたらと思っています。出来たての料理とパンを味わってもらえる場所にしたいですね」(拓也さん)

SHOP DATA
店名:MOHEJI BREAD KITCHEN
住所:〒245-0061神奈川県横浜市戸塚区汲沢8-10-1
住所:042‐438−9369
営業時間:午前6時30分〜午後5時(売り切れ次第閉店)
定休日:水曜、第1、第3、第5日曜、祝日
品揃え:約60品目
スタッフ:製造常時2人、販売常時1人
店舗面積:売り場約3坪、厨房約7坪
日商:約9万円



この記事の読みどころ

●アイテムによっては、売り切れ後も、注文を受けて4〜5分で焼いたり、仕上げたりして、焼きたて、出来たてを提供する。
●パンのプロと料理のプロのコラボレーションで製品を作る。
●今後はカフェスペースを設け、出来たての料理とパンを味わってもらえる場所にしたい。



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