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| 講習会／2021年6月号 |
2023年11月18日から、発行から１年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 星天会Zoom講習会 - 星天会
ホシノ酵母を使ってパンを作るベーカリーなどの団体、星天会（土田耕正会長）は４月２７日、「星天会Zoom講習会」を開催した。ホシノ酵母の製造元、ホシノ天然酵母パン種の秦野工場（神奈川県秦野市）にある研究室から、クラウドコンピューティングを使用したWeb会議サービスのZoomを使って、講習会場と受講者らをオンラインでつなぐ形で行われた。講師は、ホシノ天然酵母パン種技術部の森田英俊氏が務めた。講習品目は、ホシノ酵母を使った冷蔵生地玉で作る角食パンとあんパンの２品目で、インターネットを使って受講者らと双方向に繋がった形の講習会は、全国各地から参加する受講者らのコメントをはさんだりしながら行われ、リアルの講習会にはない面白さが数多くあった。
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| 星天会の土田耕正会長の挨拶 | ||||
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| ホシノ酵母の特徴は麹が作り出す熟成の旨味成分 | |||||||||||||||||||||
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ホシノ天然酵母パン種企画開発室の三村俊介氏の話 ホシノ酵母の原材料は、小麦粉、米、麹、酵母の４つで、すべて国産のものです。
ホシノ酵母で作るパンの最大の特徴である熟成の旨味には、３つのキーワードがあります。 ひとつ目は、「水和」です。小麦粉と水が水和することで、もっちり、しっとりした食感のクラムが出来上がります。２つ目は、「分解」です。麹の力によって小麦粉を分解する過程で、アミノ酸をはじめとする旨味や甘味を作り出します。３つ目は「発酵」です。酵母が発酵することで香りや風味が醸成されます。また、発酵により生地のＰＨが下がるため、日持ちにも影響します。発酵に時間をかけて作るホシノのパンは旨味が引き出され、おいしさが長持ちします。 ここで、改めて、ホシノ酵母の生種の起こし方を確認します。 ホシノパン種500ｇに対し30度Ｃの温水を1000グラム用意します。パン種と温水の割合は１対２です。温水は必ず温度計で30度Ｃであることを確認してください。冷蔵庫で保管されたパン種と３０度Ｃの温水を捏ね上げると、28度Ｃ程度になります。捏ね上げ温度は重要なポイントです。 具体的な手順は、ステンレスポットに温水を先に入れて、そのあとに顆粒状のホシノパン種をさらさらとかき混ぜながら入れていきます。だまにならないように全体に水分が行きわたるように混ぜていくと、おから状のもったりとした感じになります。これを28度Ｃで24時間発酵させます。24時間後にはポタージュのような液状になり、ぷくぷくと大小の気泡が湧いてきます。これが、元気な酵母が起きているとてもよい状態です。 生種起こしでは、元気な酵母を増やすことが一番重要で、酵母が最も増える温度は28度Ｃです。ホシノ酵母の感受性は、10度Ｃ以下だと寒くて動けず、20度Ｃ以下だと肌寒く感じ、動きは鈍い状態です。20度Ｃから25度Ｃだと、増殖しやすい状態で、27度Ｃから28度Ｃで最も増殖が活発になります。30度Ｃ以上だと、全速力で走っている状態となり、アルコールとガスを出しているだけで、増殖はしていません。気泡がブクブクと湧いてくるので、いい状態だと思いがちですが、本来の目的である酵母を増やすという意味では好ましくない状態です。 次に、ホシノ酵母を使ったパンの利点についてご説明します。 １つ目は、パンの品質向上です。生地を熟成させることにより、しっとり、もっちりとした食感が実現します。風味や香りも向上し、日持ちもよくなります。 ２つ目は、作業効率の向上です。今回ご紹介する生地玉冷蔵法や冷蔵でのオーバーナイト発酵、焼成冷凍など、作業工程の自由度を上げる様々な製法があります。 ３つ目は健康志向への訴求効果があげられます。近年の健康志向の高まりを受け、種、粉、塩、水のシンプルな材料で作ることのできるパン作りを私たちは常に提案しております。 ４つ目は、差別化が図れることです。生種起こしにひと手間かけて生地を長時間熟成させることで、製品に付加価値がつきます。焼きたて、揚げたて、作りたてのパンをホシノ酵母でさらに高付加価値化して頂ければと思います。 ５つ目は、バラエティー展開が豊かになることです。一つの生地から色々なアイテムを作ることが出来、成形も容易なので、パン店のスタッフの誰が作ってもばらつきが少ない製品が作れます。 |
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| ホシノ天然酵母パン種菓子パン(粒あんパン) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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【配合％】
【工程】
捏ね上げ温度が30度Ｃの設定で、副材料も多く、吸水が少ないので、仕込み水は70度Ｃに近いお湯を使用している。酵母と70度Cのお湯が直に触れないようにする。 28度Ｃで３時間発酵させると２倍から２・５倍に膨らんでくる。成形するときは、粉を振って生地がべたつかないようにする。粒あんは常温に戻してから包むようにする。冷たいまま包むと、粒あんと接している部分の生地の発酵が進まない。焼く前に表面をしっかりと乾かす。濡れていると火ぶくれの原因になる。 ７分で焼く。それ以上時間がかかるようなら、焼成温度を調整する。下火を弱めるために、天板を２枚重ねて窯入れする。上火で焼く感じ。最後の20秒ぐらいで、焼き色が急激についてくるので、最後の１分はしっかり焼き色を見ながら、ポイントを逃さず窯出しを行う。窯出ししたら、すぐにクーリングネットに移して溶かしバターを塗る。ホシノの菓子パンは、やや赤みがかった焼き色になるのが特徴。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ホシノ天然酵母パン種角食パン | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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【配合％】
【工程】
ポイントは捏ね上げ温度が30度Ｃと高いこと。30度で捏ね上げるには、50度Ｃ程度の仕込み水を使用する。最初に材料をミキサーボウルに投入する際に、生種が熱いお湯に直接触れないように、生種はは最後に投入する。２時間発酵をとると大体２倍から２・５倍に膨らむ。比容積が３・８になるように分割重量は２３０グラムにしてある。４度Ｃで保存中の生地玉は、熟成が進んでいるので、中には気泡が多く存在する。モルダーゲージは４〜５ミリ。焼き上がりのクラムは目が立った状態で、艶がある。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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