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連載/2018年10月号
モチベーションをいかに維持するか - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話
 これまで多くの繁盛店のオーナーシェフを取材してきましたが、全員例外なく共通していることは、モチベーションが高いことです。店が繁盛していれば、自然と笑みもこぼれてくるというものですが、それにしても、皆さん、ベーカリー経営についての意識が高いですね。
 「継続は力なり」といいますが、モチベーションを維持できなければ、一定の集中力を保ったまま継続することなど、到底できるものではありません。
 「ローマは一日してならず」といいますが、5年、10年と継続した先に成功があるとしたら、気が遠くなってしまうというものです。
 そこで、やはり、モチベーションの維持ということが、大きなポイントになってくるわけです。逆に考えれば、モチベーションが維持できさえすればすべては解決するということです。
 モチベーションの維持といっても、どのような立場で仕事をしているかによって、その方法論は変わってくるでしょう。
 任される範囲が狭いまだ経験の浅い職人であれば、自分が任されている範囲内で課題を見つけ、解決策を考え、それを実践して、結果を出し、そこに密かな喜びを感じるということでしょうか。自発的に努力して、上達するということは、健康的な快感をもたらしてくれます。自分についての肯定感を伴いますので、大きなモチベーションとなるでしょう。
 あるパン職人は、毎日大量の成形作業を行っていましたが、思うようにスピードが上がらず、なぜ速くできないのかと悩んでいましたが、ある日、力の入れ方を少しだけ変えたら、同じ時間でこなせる量が増えたと言って、喜んでいました。そういう小さな「なぜ」に答えが出たことを素直に喜べる心が大切なのかも知れません。
 店を一軒任される店長や、店を経営するオーナーシェフとなれば、モチベーションの維持の仕方も、少し変わってくるでしょう。
 自分のモチベーションを高めることに加えて、店のスタッフ達のモチベーションを高めることも考えなくてはなりません。その際に役立つのが、一パン職人として、やる気を維持するために、自分と向き合い葛藤してきた経験なのではないかと思います。
 各スタッフがそれぞれ自分の中で、自発的にテーマを設定して努力できるように仕向けることと同時に、店長やオーナーの権限で、店全体としての行動パターンをルール化することも大事だと思います。
 多くのベーカリーがやっていることですが、品出し時に、もし、運んでいるパンと同じ種類のパンをトレーにのせている客がいたら、声をかけて、運んできた焼きたてのものと交換するという行動パターンをルール化すれば、客と接して感謝されるという喜びについて、スタッフ同士で共感できるので、店としての一体感が出てきます。
 モチベーションは、自然に持てているときは、放っておけばいいわけです。問題は、結果が出ずに、やる気が萎えてしまったときに、どうするかです。そういう時は、深呼吸をして注意深く思いを巡らせてみましょう。結果が出ていないと思っていた中にも、よく観察すれば、将来へのかすかな芽があちらこちらに出ているはずです。そういう小さな芽を見逃さない観察力と、それを見つけたことに大きな喜びを感じ取れる感受性を持ち合わせていれば、心配ありません。大丈夫です。 (RO)


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