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連載/2018年4月号
接客の極意は「仏作って魂入れる」 - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話
 月刊ブランスリーで行っている消費者アンケートの企画では、接客についての調査をこれまで何回か行ってきましたが、ベーカリーの接客は概ね好評であることが多かったようです。
 では、ベーカリーの競争相手としてたびたび取り沙汰されるコンビニの接客と、ベーカリーの接客を比較してみるとどうでしょう。私はベーカリーもコンビニもよく利用しますが、最近感じるのは、そのレベルにはかなりの差があるということです。もちろん、ベーカリーの圧勝です。
 あくまで、私がこれまでに行ったコンビニとベーカリーについて私が感じた範囲での話ですが、コンビニは、「優」「良」「可」「不可」の評価をつけるとしたら、9割は「可」で、その内の半分以上は、「不可」に近い「可」です。そして、3%ぐらいは、「不可」があります。「いくらなんでも、それはないだろう」という接客をされることが、まれにですがあります。残りの7%は、「優」と「良」ですが、全体の中では少数派ということになってしまいます。 一方、ベーカリーの場合は、7割以上は「優」か「良」です。そして残りのほとんどは「可」で、しかもそのほとんどは、限りなく「良」に近い「可」です。ベーカリーで「不可」と感じたことは、私の記憶には残っていません。
 では、どうしてこれほどまでの差が出てきてしまうのでしょうか。おそらくコンビニでも接客の指導はしているでしょうし、接客マニュアルはむしろベーカリーよりしっかりしているのではないでしょうか。
 ここで改めて、主にレジでの話ですが、どのように接客されたら気持ちがいいのかについて考えてみると、本質的には、「大切にされている実感が、レジスタッフの謙虚な態度や仕草の中に感じ取れるか」にかかっていると思います。セオリーで決められている「いらっしゃいませ」「有難うございました」などの接客の決まり文句も、それらを発する順番やタイミングも、笑顔の作り方も、すべて、大切にされている実感を、謙虚な態度や仕草を通して、客に感じてもらうためにあるのだと思います。店はそのために、接客について、スタッフ達を教育するのです。
 しかし、こうしたことは、コンビニでもベーカリーでも、程度の差こそあれ、すでに行っていることです。ということは、接客について教育した様々なセオリーが、コンビニの場合は、本質的な目的の達成に繋がっていなくて、ベーカリーの場合は、繋がっているということになります。
 「仏作って魂入れず」という言葉がありますが、接客についての「魂」とはいったい何なのでしょうか。私は「モチベーション」だと考えます。
 そもそも、何十人、何百人という人に、一人ずつ、最高のもてなしの気持ちをこめて謙虚に接することが、どれだけ大変なことかを考えれば、単にやり方をいくら細かく教えても、スタッフに最高レベルのモチベーションがなかったら、到底成し得る仕事ではありません。店はそれをスタッフにお願いしているのです。
 スタッフのモチベーションを上げるには「待遇の改善」「目標の設定と達成時の報酬」などいくつか考えられますが、ベーカリーにあってコンビニないものと考えると、「スタッフが店に憧れを持つ気持ち」が考えられるのではないでしょうか。あるコーヒーチェーンは、接客がいいと評判ですが、カリスマスタッフに憧れて入ってくる人が多いと聞きました。(RO)


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