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講習会/2017年12月号
2017年度ベーカリーセミナー - 昭和産業
米粉チャバッタ
ロングソーセージ
大納言
プレッツェルタイプ
米粉バゲット
講師を務めた西山重明氏
 昭和産業は10月25、26の両日、千葉県船橋市の同社船橋工場内のRD&Eセンターで「2017年度ベーカリーセミナー」を開催した。講師には、茨城県東茨城郡のJA全農が運営するレジャー施設「ポケットファームどきどき」内にあるパン工房「マローネ」の西山重明店長を迎えた。西山講師は、「売れるパンを効率的に作るにはどうしたらいいか」をテーマにして、「米粉チャバッタ」「米粉バゲット」などの製造実演を行った。さらに同じ生地から、アイデア溢れる様々な別の製品を作って見せた。効率と美味しさを両立させるためのアイデアに溢れる講習会となった。

美味しさと効率を両立させる方法
講師を務めた西山重明氏
 西山重明講師の話 茨城県南部の「ポケットファームどきどき」という農産物直売の施設の中にあるベーカリーを任されている。売上は平日で17万ぐらいで、休日はその倍という感じだ。現在は、この売上を、パート3人でこなしている。私は仕事の流れを見ながら必要であれば、補助に入るというスタイルだ。労働時間をいかに減らすかという観点から、ほとんどのパンは冷蔵発酵で作っている。そのためには、冷蔵庫やドウコンなどの設備にも投資していく必要がある。パート3人うち2人が女性なので、女性が働きやすい環境作りにも務めている。例えば、天板は意外と重いので、3分の1の重さの軽い天板に順次入れ替えている。また、今度オーブンを入れ替えるのだが、スリップピールを女性が持ち上げるのは大変なので、リフト付きのものにした。そういうことをしていかないと、これからの時代は、雇用を確保するのが大変だと思う。今日は、パンの作り方で「こういうやり方もあるんだ」というようなことも含めて紹介したいと思う。皆さんと一緒にパンの可能性を追求していけたら嬉しい。

米粉チャバッタ
米粉チャバッタ
写真1
 吸水が100%とかなり多い製品。成形の際は手粉を多めに使用する。

【配合%】
強力粉(ブルチアーレ)‥‥‥‥80
米粉(SR‐1)‥‥‥‥‥‥‥‥20
イージーチャバタ(チャバッタ用粉末サワー種)‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
生イースト‥‥‥‥‥‥‥2・2
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
【工程】
ミキシング‥‥‥L3分H10分〜
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥24度C
発酵‥‥‥‥5度C一晩(生地を入れる番重にオリーブオイルを塗る)
分割・成形‥‥‥‥140グラムの長方形にカットし(写真1)、断面を整え、布取りする(生地の温度が15度C以上になってから作業する)
ホイロ‥‥‥‥‥28度C75%30分
焼成‥‥‥‥‥上火220度C下火220度C16分(スチーム注入)
 西山重明講師のコメント 配合に塩がないのは、イージーチャバタに塩が入っているため。米粉が水をよく吸っててくれる。生地が柔らかくて扱いづらいので、手粉をしっかりとふりながら作業をする。この生地のいいところは、冷蔵で長い時間置いておけることだ。一次発酵をとって分割成形してすぐに焼いたり、さらに発酵を取って焼いたりと、臨機応変に作業ができる。吸水を90%にすれば、生地は扱いやすくなるが、もっちり感やみずみずしさは若干少なくなる。当店では、吸水が100%と、85%の2種類のチャバッタ生地を仕込んでいる。保形性をよくしたい場合は吸水の少ない生地を使って、みずみずしさを出したい場合は吸水の多い生地を使っている。

米粉チャバッタ生地を使用したバラエティー


▽ロングソーセージ
ロングソーセージ
写真2
写真3
 長いソーセージを包み込んでクープを入れて焼成する。多くの店で売れている人気商品。

【工程】
ミキシング‥‥‥L3分H10分〜
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥24度C
発酵‥‥‥‥5度C一晩(生地を入れる番重にオリーブオイルを塗る)
分割‥‥‥‥‥‥‥120グラム
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥‥生地の温度が15度C以上になるまで
成形‥‥‥生地ををソーセージの長さにまでのばして、ソーセージを包み(写真2)、天板に置く(写真3
ホイロ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥なし
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火220度C下火220度C16分(焼成前にクープを9本入れる)
 西山重明講師のコメント ソーセージを包んだら、ホイロはとらずにすぐに焼成する。このチャバッタの生地は、様々なタイミングで焼成してもパンになるのがメリット。

▽プレッツェルタイプ
プレッツェルタイプ
写真4
 チャバッタ生地をプレツェルのように成形して焼き上げる製品。

【工程】
ミキシング‥‥‥L3分H10分〜
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥24度C
発酵‥‥‥‥5度C一晩(生地を入れる番重にオリーブオイルを塗る)
分割‥‥‥‥‥‥‥120グラム
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥‥生地の温度が15度C以上になるまで
成形‥‥‥手粉をたっぷりと使い、細いひも状にのばし、プレツェル状に成形して(写真4)、天板に並べる
ホイロ‥‥‥‥28度C75%20分(ホイロ後、オリーブオイルをたっぷりと塗り、クレージーソルト振る)
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火220度C下火220度C15分
 西山重明講師のコメント 生地の状態で冷蔵してあるので、吸水が多い割には、成形しやすい。

▽オレガノ+チーズ
 米粉チャバッタにオレガノとパルメザンチーズをトッピングして焼き上げる。

【工程】
ミキシング‥‥‥L3分H10分〜
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥24度C
発酵‥‥‥‥5度C一晩(生地を入れる番重にオリーブオイルを塗る)
分割・成形‥‥‥‥‥‥‥140グラムの長方形にカットし、断面を整え、天板に並べる(生地の温度が15度C以上になってから作業する)
ホイロ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥28度C75%20分(ホイロ後、オリーブオイルをたっぷりと塗り、パルメザンチーズとオレガノをかける)
焼成‥‥‥‥上火220度C下火220度C15分(スチーム注入)

▽ベーコンとオリーブ
ベーコンとオリーブ(奥)
写真5
写真6
講習会の会場の様子
 米粉チャバッタの生地に、オリーブやベーコン、セロリなどをトッピングして焼くピザ風の製品。

【工程】
ミキシング‥‥‥L3分H10分〜
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥24度C
発酵‥‥‥‥5度C一晩(生地を入れる番重にオリーブオイルを塗る)
分割・成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
手粉をたっぷりと使い、100グラムの板状に分割し、ベーキングカップに入れる(写真5、生地の温度が15度C以上になってから作業する)
ホイロ‥‥‥‥‥‥‥‥‥28度C75%20分(ホイロ後、オリーブを適量のせ、細長く切ったベーコンと根セロリを散らし、パルメザンチーズとオレガノをふりかける=写真6
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火220度C下火220度C20分

米粉バゲット
米粉バゲット
写真7
 米粉の種を配合して作るバゲット。独特の風味がある。甘酒を配合することで、さらに特徴が出る。

【配合%】
強力粉(カイノス)‥‥‥‥‥‥‥70
食塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
ショートニング‥‥‥‥‥‥‥‥2
サワードディレクト25(発酵風味液)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
インスタントドライイースト青‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・7
甘酒‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥27
▼米粉種‥‥‥‥‥‥‥‥‥75・4
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥L3分M3分(ショートニング投入)L2分M3分
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥‥23度C
発酵‥‥‥‥‥‥‥‥‥4度C一晩
分割‥‥‥‥‥‥‥‥350グラム
ベンチタイム‥‥‥生地の温度が16度Cになるまでホイロに入れておく
成形‥‥‥‥‥バゲット形(写真7
ホイロ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥28度C75%40分(生地温度21度C)
焼成‥‥‥‥‥‥上火230度C下火210度C23分〜(スチーム注入)
▼米粉種
【配合%】
米粉(SR‐1)‥‥‥‥‥‥‥‥30
インスタントドライイースト青‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・1
ユーロモルト‥‥‥‥‥‥‥0・3
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥45
【工程】
①全材料をゴムベラを使って混ぜ合わせる
②25度Cで一晩置く
 西山重明講師のコメント 甘酒は、特徴が出るので配合した。どんなものでもいいが、それぞれの風味によって配合量を調整する必要がある。米粉が30%入っていて、生地が切れやすいので、扱いには注意を要する。分割後のベンチタイムは、ホイロに入れて生地温が16度Cになるまでおいていおく。

米粉バゲット生地を使用したバラエティー


▽大納言
大納言
写真8
 マーガリンと大納言を折り込んで縦にカットして焼成。甘酒の風味と大納言がよく合う。

【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥L3分M3分(ショートニング投入)L2分M3分
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥‥23度C
発酵‥‥‥‥‥‥‥‥‥4度C一晩
分割‥‥‥‥‥‥‥‥200グラム
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥‥20分
成形‥‥‥‥①15センチ×20センチ程度に伸ばし、マーガリンを約30グラム絞る②大納言60グラムを全体に散らし(写真8)、3つ折りにして麺棒でのばす③さらに2つ折りにして、麺棒でしっかりとのばし、棒状にする④包丁で縦半分に切り分け、天板にのせる
ホイロ‥‥‥‥‥‥28度C75%40分
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火230度C下火210度C20分(スチーム注入、焼き上がったらバターを絞り、プレッツェルザルツを適量かける)
 西山重明講師のコメント あらかじめ200グラムに分割しておいた生地を、成形してそれを2分割すれば、生産効率がよくなる。マーガリンと大納言以外にも色々な素材で応用できる。


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