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| 特集/2019年1月号 |
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| 食パン専門店 特集
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同店が販売するのは、「高級『生』食パン」の2サイズと、同製品で作った「クルトン」(税込216円)、そして「ブルーベリージャム」(税込1080円)などのオリジナルジャムのみだ。 「作り手の立場からですが、種類を色々と展開すると、主役の商品に集中できなくなってしまいます。また、種類を絞ることは、人手を確保する上でも利点があります。何種類も作らないといけないベーカリーと違い、当店は一種類だけ作ることができればいいのですから。当店の求人については、逆に販売のスタッフを集める方が大変なくらいでした」(中井さん) 製造スタッフは、午前3時から厨房に入る。今後、スタッフが慣れてきたら、今より製造数を増やすため、2時間早める予定だという。生地作りから焼成までかかる時間は5時間で、そのあと乾燥させる工程もある。そのため、開店時間は午前11時でも、早朝からの作業が必要となる。 「朝から作った分が売り切れると、一度に窯に入る量が2斤棒で70本分なので、一時間おきに約70本ずつ、お客様に販売していくという流れになります」(中井さん) 一日分を焼き終わって、窯が空くと、検品ではじかれた食パンを利用した「クルトン」の焼成を行う。 「やわらかい食パンなので、腰折れしてしまいやすいのです。そのようなそのままでは販売できない食パンを使います。さいの目にカットして、閉店後窯が空いたときを利用して、4時間乾燥焼きして完成です。クルトンとして使ってもいいですが、紅茶とよく合うんですよ」(中井さん) オリジナルジャムは、ブルーベリー、ストロベリー、マーマレードが定番で、季節の果物を使用したものも随時出している。 「ジャムの糖度は、当店の食パンのほのかな甘さに合わせて少し抑えめにしています」(中井さん) 中井さんは前職で、バーテンダーやレストランメニューの開発などをしてきた。それらの経験も糧となり、「高級『生』食パン」の食べ方について、色々とアイデアが浮かぶという。 「複数の味を混ぜて新しい味を作り出すというバーテンダーの仕事のように、昔から、味の組み合わせを頭の中で考えたり想像したりすることが好きです。当店の食パンの食べ方についてもいろいろと考えています。一番のおすすめは、そのまま食べることですが、バターをのせて焼いたり、焼かないでたまごサンドにしてもいいかと思います。たまごのフィリングには、隠し味に練乳やハチミツを入れると、マヨネーズの酸味がマイルドになって、おいしいと思います」(中井さん) SHOP DATA 店名:乃が美 はなれ 麻布十番店 住所:〒106−0045東京都港区麻布十番1−9−7 電話:03‐6441‐3188 営業時間」:午前11時〜午後6時 定休日:火曜 品揃え:食パン2品目 スタッフ:製造常時7人、販売常時5人 店舗面積:厨房18坪、売り場5坪 日商:平日約80万円、土日祝日約76万円(11月15〜30日までの平均) | |||||||

| 水にこだわる食パンで銀座の食パン専門店競争へ参戦 - 銀座に志かわ本店 | ||||||||||||||||
2018年9月13日、「セントル ザ・ベーカリー」や「俺のベーカリー&カフェ」などの食パン専門店が集まる東京・銀座で、また新たな食パン専門店が誕生した。「水にこだわる高級食パン」がキャッチフレーズの「銀座に志かわ本店」だ。 「先日、ノーベル賞を受賞した本庶佑先生の『教科書を信じない』という言葉が話題になっていましたが、教科書通りでなくても実際に食べてみておいしいという感覚を大切にして開発しました」と話すのは同店を運営する銀座仁志川(東京・中央区)と三重県を拠点に「513ベーカリー」を展開するコイサンズ(津市)の双方の社長である高橋仁志氏だ。 「銀座に志かわ本店」では食パン(1本=2斤=税別800円)1品のみを販売。渾身の1品のみに集中する単品ビジネスで、「後発ながら、また新たな銀座食パン専門店戦争に参戦していくつもりです」と高橋社長。 「和モダン」をコンセプトに、「食パン」の文字が綴られたのれんを掲げた店舗は銀座1丁目に位置。その店舗には、9月13日の開店日から毎日のように同店の食パンを買い求め列をなす人々の姿がみられ、毎日500本製造する食パンはオープン以来、全て完売しているという。 キャッチフレーズは「水にこだわる高級食パン」だが「まず食パンを作る際に使用する水の量は、小麦100に対して60。水はパンの主原料の1つなんです」と高橋社長は話す。 同店は「513ベーカリー」が長年の研究の末に開発した食パンを、「水」に着目して改良、その際に素材の旨味を引き出し味わい深くすることが知られているアルカリイオン水を使うことで、「絹のようにしっとりした耳、淡雪のような口どけのほんのり甘い食パンを生み出すことができた」(高橋社長)という。 ほんのりとした甘さやもちもちとした食感は、和の食材や惣菜とも相性が良く、「きんぴらなどの濃いめの味の惣菜や漬物、いかの塩辛などとも合う」という。 銀座にふさわしい味を模索 ただし、これまでのパン業界の教科書では、アルカリイオン水を使って仕込んだパンはうまく発酵できないと言われてきた。 「実際にやってみたら、アルカリイオン水を仕込み水に使用しても十分パン生地を発酵させる事はできたので、逆にアルカリイオン水の特性を生かしておいしいパンを作るための研究を行ったのです。そして、天然水よりもph値を高め、各種ミネラルもバランスよく添加したアルカリイオン水を使用し、今までとは違った食感や風味の食パンを作る事を成功させました」(高橋社長) 高橋社長は銀行員を経て、24歳の時に外食のFC事業を手がける会社を起業、37歳の時にベーカリー「麻布十番モンタボー」の経営を任されて社長となり、40歳から「513ベーカリー」の経営者となった。それから10年が経つ。これまでの経営者としての人生の中で長く関わってきたベーカリー分野に対する強い思い入れが、新事業を開始したいという考えにつながったのは、今から1年半ほど前だ。 きっかけは、これまで「513ベーカリー」で幅広く大衆に向けた商品を販売していく中で、新しいニーズの掘り起こしに取り組みたいと考えるようになったことだ。 「このところのの食パン専門店のブームにも着目しましたが、『モンタボー』にいた頃から、食パンでお客様がついてくるベーカリーは強いと聞かされていたので、思い切って食パンで専門店を開くことで、新しい可能性を切り開いていきたいと考えました」(高橋社長) ねらったのは、敷居が高すぎない「プチ贅沢」「自分へのご褒美」「ちょっと気の利いた手土産」といった需要だ。その意味ではやるなら場所は、食文化の発信拠点である東京・銀座でと考えた。そのため銀座の高級食パン専門店にふさわしい味を模索する事になる。 「モンタボー」にいた頃からの盟友だったパン職人で50年以上ものパン製造の経験があり、現在銀座仁志川の技術担当役員として製造のトップに立つ山本厚氏との共同作業で、新しい食パンの味を考えた。そして生まれてきたのが、パンの主原料としての「水」に着目した発想だ。 「蕎麦や日本酒、豆腐などをつくる上で水がとても重要であることは知られていますが、同じことが食パンでも言えるはずと考えたのです。そのため、まず3種類の水を使って実験を行いました。一つは普通の天然水で、残りの二つは、ph値の違うアルカリイオン水2種類です」(山本氏) その結果、よりph値の高いアルカリイオン水で、甘く、柔らかく、口溶けの良い食パンが仕上がる事がわかったという。 「アルカリイオン水は素材の旨味を引き出すことは料理の世界ではよく知られています。これをパンの世界でも応用させた格好となりました」(山本氏) | ||||||||||||||||
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品質の徹底管理とブランディング
「銀座に志かわ」は現在銀座の1店舗のみを運営しているが、ゆくゆくはFC展開も考えているという。そのため商品を食パン一本に絞りながら品質を均一化するため、製造の各工程におけるデータの徹底的な管理を行っている。 「具体的にはパンの製造における各工程で温度を緻密に記録し、季節や気候の変化により生まれる品質のブレをなくしています。FC展開しても、全店舗で品質を均一化していくことができるし、もちろん味の信頼にもつながります」(山本氏) こうした数字の記録とデータの徹底管理は多忙を極める通常のベーカリーでは難しいものがあるが、あえて商品を食パン一本に絞ることで、それが可能となるという。 「データを見ることで毎日新しい発見もあります。スタッフは経験者で『食パンを極めたい』という人も採用したのですが、彼とは毎日のように食パン談義に励んでますね」(山本氏) 温度のほか、実は製造過程でパン生地を冷やすために使用している氷もアルカリイオン水を使用するなど細部でのこだわりもみられる。スタッフに提供している飲用水もアルカリイオン水で、健康効果を実感しているスタッフもいる。 また同社は開業にあたって、ブランディング戦略も強化。「和モダン」をキーワードに、店舗の入り口ののれんから、紙袋、スタッフのユニフォームまで、まるで割烹料理店のような風情で統一している。のれんとスタッフのユニフォームは京都の一澤帆布製のものを採用し、シンプルでありながら細部にこだわったデザインにした。 「食パン専門店が多数、参入している昨今ですが、業界が盛り上がる事は良い事だと思います。実は真の競合は他の食パン専門店ではなく和菓子や洋菓子であると考えているのですが、食パンのみならず日本ならではのソフトなパンというのが今後は注目されていくと思うんです。海外の人にも幅広く食べてもらえるように、銀座の食パン専門店のブランドとして長く定着させていきたいですね」(高橋社長) 同店の社内用語として「食パンの独り立ち」という言葉がある。 「食パンは、何かを塗ったり惣菜を挟んだり常に何かと『マリアージュ』しがちですが、あえてそのまま何もつけない、『独り身』にさせて食べる事でわかる味わい深さがあります。シンプルな中に様々な可能性を秘めている食パンの魅力を伝えていけるよう、力を尽くしていきたいですね」(高橋社長) SHOP DATA 店名:銀座に志かわ本店 住所:〒104-0061東京都中央区銀座1-27-12キャビネットビル1F 電話:03‐6263‐2400 営業時間:午前10時〜午後6時(売り切れ次第終了) 定休日:不定休 品揃え:食パン1品目 スタッフ:常時製造5人、販売3人 店舗面積:売場3.5坪、厨房16.5坪 日商:40万円(1日500本販売) |
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