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連載/2018年1月号
監督兼選手のオーナーシェフという立場 - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話
 ベーカリーも平均日商が10万を超えてくると、オーナー一人の手には負えなくなってきますので、スタッフに任せる仕事も多くなってくると思います。オーナーシェフ一人で製造を行うベーカリーもありますが、多くの場合、オーナーシェフを中心とした数人から十数人のチームで製造のオペレーションを行うケースが多いでしょう。
 その時点で、オーナーは製造のスキル以外に、人を管理するスキルが必要になってきます。自分一人が高い製造スキルを持っているだけでは、にっちもさっちもいきません。
 人を育て、各人がそれぞれの力を最大限に発揮できるようにチームをまとめていくことに興味があるか、またその能力があるかどうかが、ベーカリーがビジネスとして発展していけるかどうかの最初の分かれ目になると考えられます。
 製造のオペレーションは、ベーカリーが付加価値を生み出す根源的な活動ですが、それだけでは不十分です。販売のオペレーションも同時に行っていかなくてはなりません。オーナーがパン職人の場合は、販売のスキルも身につけるか、販売のスキルがある人を雇って、販売部門の長に立てるかのいずれかを行う必要があります。
 このように、オーナー一人では回せない店の場合は、オーナーは、人を管理するという仕事から逃れることができません。そして、店の規模が大きくなればなるほど、人を管理する仕事の量は増えていきます。 「オーナーシェフ」と呼ばれる人が経営する店の場合は、オーナーが職人であることから、一般的な企業の社長と違って、現場で職人として働くことへのこだわりが強いことが多いように思います。人を雇う社長である以上、人の管理からは逃れることはできませんが、店が一つの場合は、野球の世界に例えれば、かつての野村克哉監督のように、選手でもあり監督でもあるプレーイングマネージャーとして、敏腕をふることができるでしょう。
 私がこれまで取材させていただいたベーカリーのオーナーシェフの中にも、一店舗のみの経営で、数人から十数人のスタッフを従えて、リーダーシップを発揮して、うまく店を回している方が数多くいます。この場合、よきチームリーダーであることが大事ですが、理想のチームリーダー像も、多種多様だと思います。「声が大きくて、笑い方が豪快で、自己主張が強くて、威圧感がある」などいった紋切り型のリーダー像は、すでに化石化して地中深くに埋もれています。声が小さくて、笑い方が控えめで、自己主張を表立ってはあまりせず、威圧感のまったくない敏腕のリーダーも、目立たないだけで、沢山いるはずです。ポイントは、スタッフの信頼を勝ち取れるかどうかです。スタッフの力を引き出せるかどうかです。
 それでは、スタッフの信頼を勝ち取るにはどうしたらいいのでしょうか。
 人それぞれに方法論はあると思いますが、まずは根っこの部分で、スタッフのためを思うことだと思います。そして、その思いを実現するためにあなたがとる行動に対するスタッフの反応をよく観察することだと思います。スタッフが本音の部分で受け入れられる行動をとっているときのあなたが、最も魅力的であり、その行動があなたのキャラクターに合った最良の方法論である可能性が高いでしょう。(RO)


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暑中お見舞い申し上げます。