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お店拝見/2017年1月号

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基本を見直して変化に対応 - モンタボー麻布十番本店
客が商品を選びながらぐるりと一周、店内をスムーズに動けるように、中央に陳列台を、壁面に陳列棚を設置した
店長の野島良子さん(左)と販売スタッフ
「サクッ」「フワッ」「ジュワ」の3つの食感が楽しめる塩ロールパン「サフジュ」(税込151円)は一番人気
「サフジュ」の断面。「サフジュ」には、マリボーチーズをトッピングした「サフジュ チーズ」(税込194円)もある。
発酵させた豆乳使用の「もっちり塩パン」(税込140円)と、同じ生地を使った総菜パンの数々
いかに売るかを考えるようになった

 東京・港区の麻布十番商店街中ほどにある「モンタボー麻布十番本店」は、2017年に創業40周年を迎える全国チェーンベーカリー「麻布十番モンタボー」の本店だ。
 ホテルベーカリーが発祥の「麻布十番モンタボー」は創業当初、神奈川県を中心にチェーンベーカリーとして店舗数を拡大。現在は、路面店を7店構えるが、全国にある約70店舗の多くが、ショッピングモールやスーパー内の立地となっている。
 路面店である麻布十番本店は31年前に、内装、外装ともに一新し、3年前には売り場の配置転換を行った。
 入社後初勤務の店が同店だったという、現在、製造・商品開発を担当する井上聡士さんは、「入社当時から随分変化しています」と話す。
 「最も大きな変化は、3年前に行った売り場の配置転換です。それまでは、作れば売れる、すなわち、作ったらおしまい、というようなところがありました。こうした考えから、いかに売るかを考えるという、製造だけでなく販売の仕方まで注力するという方針に変わりました。それで、お客様には、商品を楽しみながら選んでいただけるように、売り場の陳列場所の配置を変えたんです。壁面の棚だけでなく、売り場の中央にも、海に浮かぶ島のような形で陳列台を設けることで、ぐるりと回遊しながら商品が見られるようにしました。また、それだけでなく、売れ筋商品の陳列場所も工夫しました。それまでは、入り口正面などの分かりやすい場所に集中して置いていたのですが、それに加えて、売り場の奥の方などにも置くようにしました。これによって、目的買いのお客様にも、より多くの商品に目を向けて頂ければと思っています。ただ、目的の商品を見つけにくくなってはいけませんので、惣菜パン、菓子パン、食事パンと、カテゴリー別にはっきりと整理して、陳列するようにしています」(井上さん)
 販売戦略については、売り場においてだけでなく、製造方法を工夫することからも練られた。
 「以前は、焼きたてでお出しできる商品が、作り手都合のタイムスケジュールになっていました。それを、アイテムごとの売れる時間に合わせて焼き上げるように、タイムスケジュールを見直しました。お客様が食べたいと思うときに、そのパンの焼きたてをちょうど並べらるように、改善したんです。例えば、当店のピークは昼時なのですが、昼時に最も売れる惣菜パンと、それらと合わせて購入してくださる、甘い系の一部商品を、焼きたてで揃えられるようにしました」(井上さん)
 実際、人気第3位の、発酵させた豆乳クリームを使用した、もちもち食感の塩パンを使った惣菜パンは、取材した日の午前11時前、プレーンタイプの「もっちり塩パン」(税込140円)と、「チーズ」(税込194円)の2種類のみだったが、正午あたりから、明太子と餅を使用した「明太子もっち」(税込194円)や「ウインナー」(税込216円)などを登場させ、午前中にあった2種類に、さらに4種類の惣菜パンを加え、昼時の活気をさらに盛り上げていた。

「あらびきソーセージフランス」(税込237円)や「ふんわりとろけるチーズフォンデュ」(税込259円)などの惣菜パンが並ぶ棚
定番の食パン2種類。右は山食の「小麦のしずく」(税込324円)、左は角食の「ふわり」(税込334円)
新小豆を使用した「吟十勝あんぱん」(税込270円)は、2016年11月11日から2017年1〜2月までの期間限定商品
ロングセラーの「北海道牛乳パン」(右、税込421円、ハーフサイズ税込み237円)と季節商品の「北海道牛乳パン生チョコ」(左、税込464円、ハーフサイズ259円)
断面写真は、「北海道牛乳パン」のもの
東京メトロ・麻布十番駅から徒歩4分、麻布十番商店街の中ほどにある「モンタボー麻布十番店」
惣菜パンと食事パンの充実を図る

 「数年前、一時ですが、店内に菓子パンばかりが並ぶようなことがありました」(井上さん)
 現在人気第2位の「北海道牛乳パン」(税込421円、ハーフサイズ税込237円)は、以前一番人気の商品だった。しっとりふわっとした食感の同製品も、ミルク風味の優しい甘さのある、菓子パンだ。
 「多くの方が、菓子パンはおやつとして食べます。おやつに菓子パンを食べる日というのは、多くても、一週間に2〜3回くらいに留まると思います。やはり、毎日のように来店していただくためには、朝食や昼食のときに、しっかり食事となるようなパンを強化していかなければなりません。そのようなことで、2〜3年前から、惣菜パンと食事パンを重視した商品開発を進めています」(井上さん)
 そこで2年前に発売となったのが、塩ロールパン「サフジュ」(税込151円)だ。同製品は発売から好調で、長い間ナンバーワンの座を守っていた「北海道牛乳パン」をぬいて、早くも当店の一番人気商品に躍り出た。
 商品名の「サフジュ」は、「サクッ」「フワッ」「ジュワ」の3つの食感が楽しめることから、それぞれの頭文字を取って名付けた。塩パンロールがブームとなったなか、同製品の特長を際立たせる商品名を付けることで、塩パンロールをまだ食べたことのない人や、しばらく食べなくなった人に対しても、訴求効果を発揮している。
 「サフジュ」は現在、プレーンタイプのに、マリボーチーズをトッピングした「サフジュ チーズ」(税込194円)を加えて、2種類を販売している。
 「プレーンは定番として常にありますが、チーズ味のように具入りのものも加えて、通年2種類を揃えるようにしています。具入りの方は、だいたい2カ月ごとか季節ごとに、入れ替えます。チーズは最近定番化しつつありますが、過去には、胡麻、ワイン味、ヨーグルト風味を楽しめる乳酸菌入りなども販売しました。食事系のパンですから、入れる具は、毎日お客様に食べてもらいたいという思いで、健康志向の食材を選ぶ傾向があります」(井上さん)
 一方惣菜パンの強化は、惣菜パンの基本商品を見直すことで図っている。
 「惣菜パンに欠かせない具材と言えば、チーズ、ソーセージ、ベーコンだと思います。これらの具を定番の具と定め、その定番の具を使ったパンを惣菜パンの基本とし、その基本のおいしさを見直していこうという考えで、商品づくりをしています」(井上さん)
 昼時にずらりと並んだ惣菜系の塩パンも、ステッペン、ゴーダ、チェダーの3種類のチーズをトッピングした「チーズもっち」(税込194円)、ソーセージとマスタードをトッピングした「ウインナー」など、定番の具材であるチーズとソーセージを使用していた。
 「基本をしっかり見直していこうという考えは、惣菜パンだけでなく、全カテゴリーでも共通です。菓子パンでは、チョコクリームなどが定番の具材で、まずチョコクリーム自体を、そしてそれを使った商品を見直しています。過去の製法や味にこだわり続けるのではなく、今のお客様の舌に合わせて、適宜変えていきながら、おいしいパンを、未来に向かって作っていきたいと思っています」(井上さん)

SHOP DATA
店名:モンタボー麻布十番本店
住所:〒106‐0045 東京都港区麻布十番2‐3‐3
電話:03‐3455‐7296
営業時間:午前8時30分〜午後9時
定休日:元日
品揃え:90〜100品目
スタッフ:製造常時8人、販売常時3〜5人




この記事の読みどころ

●パンの焼き上がりの時間を、客が来店する時間と客のニーズに合わせて、見直した。
●人気商品は、一カ所にまとめず、何カ所かに散在するようにした。
●毎日食べられる食事系のパンの基本事項を洗い出し、そのひとつひとつについて、充実・強化を図った。

※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。


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