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| お店拝見／2015年10月号 |
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| 人気のスコーンは１日１０００個以上 - ラ ブランジュリ キィニョン エキュート立川店 | ||||||||||||||||
「焼きたてのパン、たくさんご用意しています」 ＪＲ中央線・立川駅構内に入ると聞こえてくる元気な声。「ラ ブランジュリ キィニョン エキュート立川店」の販売スタッフが、駅利用客に呼びかける。 同店は２００７年、同駅の駅ナカ商業施設「エキュート立川」のオープン当時から、この場所で人気を集めてきた。「ラ ブランジュリ キィニョン」は、同店を合わせて都内に５店舗展開している。国分寺本店以外は、商業施設の中という立地だ。 「たくさんの人が行き交う『駅ナカ』では、声掛けはとても重要です。目の前を歩いている人が、お客様になる可能性があるのですから、声を出して、外に向けてどんどん情報を発信していきます。加えて、試食を出すと、人の集まり方が違いますね。一気に集客できます。夕方の帰宅時などのピーク時にあえて行うのが効果的です」（店長の羽沢さん） 試食で提供するのは、１日１０００個以上売れる看板商品のスコーンだ。スコーンは、「プレーンスコーン」（税込１８５円）など常時８種類ある。同店のスコーンの特徴は、ミルク感たっぷりの味としっとりとした食感。これは、バターを使わず大量の生クリームで仕込むことで生まれる独特のものだ。 「当店で一番人気のある商品を一人でも多くのお客様に召し上がって頂きたいので、スコーンを試食にお出ししています。お客様からは、『しっとりしている』とか『もそもそしていないので食べやすい』などのお声をいただけます。当店のスコーンは初めてという方には、『スコーンではないみたい』と驚きの反応もいただけます」（羽沢さん） 試食で集まった人には、食べ方などについても伝えるようにしている。 「スコーンというと、アフタヌーンティーでクロテッドクリームやジャムを付けて食べるお菓子というイメージがありますが、『何も付けずにそのまま食べても美味しいので、忙しい朝の食事にもぴったりです』などといったシーン提案を、試食されているときにしています」（羽沢さん） 「プレーンスコーン」や、メープルシュガーとマカダミアナッツをトッピングして焼き上げた「メープルスコーン」（税込２５０円）、アールグレイの茶葉を練り込んだ「紅茶のスコーン」（税込２０５円）など、定番のスコーンは４種類ある。ジャムなどを付けなくても、いろいろなスコーンの味を楽しめる。 また、季節商品も、「スイートポテトスコーン」（税込２４０円）など常時４種類あり、こちらは毎月２種類ずつが入れ替わる。 「季節限定の商品は、２カ月で変わってしまいますので、今の時期しか食べられない限定のスコーンもあるということも、強調します」（羽沢さん） 昨年10月、店舗を拡張しカフェスペースを設けた。購入したパンやスコーンなどと、「ブレンドコーヒー」（税込３００円）などのドリンクを楽しめる。「スコーンとの相性を考え、コーヒーは、濃いめでコクのある味のもの、紅茶は、コクと香りの強いアッサムを選びました」と羽沢さん。 | ||||||||||||||||
同店は、売り場がほとんどを占めている造りで、奥にある厨房はほんの少しのスペースだ。同店の商品のほとんどは、２キロ離れた同社の立川工房で作っている。他の４店舗の商品も、立川工房で製造している。 「当店で焼成しているのはスコーンと惣菜パンで、菓子パンや食事パンなどは立川工房で焼いたものを運んできます。ただ、立川工房からは車で10分ほどと非常に近いので、届いて並べるときは、まだ温かいんです。焼きたてを並べられるのは、販売する側にとっても嬉しいです」（羽沢さん） 同店のオープン時刻は朝７時なので、オープン前の６時から夕方まで、立川工房から次々に焼きたてが届く。届くのは、１日８回ほどで、約１時間おきだ。 スコーンは、立川工房で仕込んだ生地を、同店で焼成している。同店のオーブンで、一度に焼成できるスコーンの量は、60個。１日の焼成回数は約20回に上る。最も売れる冬季は、１５００〜１６００個売れるときもあるので、オーブンが開き次第、次々に焼成していく。 製造に専念できる環境試作も積極的に行う 立川工房の製造スタッフ、栗田大さんは、同工房ができて２年経った頃からこれまで、７年間勤務している。 「商品のラインナップは、７年前と比べて、半分以上は変わっていると思います。工房は、試作も頻繁にできますし、作ることに専念できていい環境です。新人でもやる気があればどんどん試作にチャレンジできます」（栗田さん） 各販売店の売上げの変動は、インターネット上で管理しているので、工房で把握することは常に可能だ。また、一カ月に一度、各店の店長らが集まる会議でも情報を共有している。 「季節商品は試作を重ね、毎月の商品会議で提案します。毎回10種類以上の試作品が提案され、その中から数品が新商品として発売されることになります」（栗田さん） 試作は、常に季節商品以外にも行っている。半年以上試作を重ね、最近ようやく発売まで漕ぎ着けた商品が、「とろける生クリーム食パン」だ。しっとりときめ細かく、ミルク風味と優しい甘さが特長で、２枚で税込２４０円という高級食パンだ。リピーターの多い人気の「キィニョンの食パン」（半斤税込１２５円、１斤税込２５０円）とはまた違ったおいしさで、発売早々好評を得ている。 栗田さんは、休みの日に他のベーカリーに行くのが好きだという。そのようなところも、商品開発の意欲を掻き立てることに繋がっているのだろう。 「京都など関西方面でも、気に入ったお店は何度も行っています。次に新たに開発したいのは、クロワッサンです。すでに試作に取り掛かっていて、目指すのは、日本一おいしいクロワッサンです」（栗田さん） 店名：ラ ブランジュリ キィニョン エキュート立川店 住所：〒１９０‐００２３ 東京都立川市柴崎町３‐１‐１ 電話：０４２‐５２１‐５２１６ 営業時間：午前７時〜午後１０時（日曜、祝日は午後９時まで） 定休日：なし 品揃え：パン約６５品目、菓子約２０品目 スタッフ：製造常時１人、販売常時４〜７人、立川工房の製造常時１０人 店舗面積：売り場１１・５坪、厨房３・５坪、イートイン７坪、立川工房の厨房30坪 日商：８０〜１２０万円 | ||||||||||||||||
| この記事の読みどころ
●看板商品のスコーンは１回６０個、１日２０回ほど焼成する
●看板商品のスコーンの試食を積極的に提供する ●ほとんどの商品は車で10分の工房で焼き、１時間おきに店に運ぶ ●昨年10月にカフェスペースを儲け、スコーンと濃い目のコーヒーなどを提供 ※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。 |
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