厨房は２５坪と広く、ゆったりと作業ができる。
バゲットやバタールも積極的に提案し、普及させたいという。
レジの後ろには、小型のピザ窯があって、注文があるごとにピザを焼いて提供する。
売り場の、通りに面した側は、ガラス窓になっている。その向こうの赤いテントの下にも飲食できるスペースがある。
ベーコンを巻き込んだ生地にオニオンスライスなどをトッピングして焼き上げた「オニオンブレッド」
大学いもと栗を使用した「栗と大学イモのデニッシュ」（１６８円）
人気の調理パン「コロッケコッペ」。コッペパンには生クリームを練り込んで特徴を出している。
黒ごま入りの生地で、茎わかめのわさびマヨネーズ和えを包んで焼き上げた「ゴマササメ」（１６８円）。
山本さんが、生産性を向上させることにこだわる理由には、社員にいい暮らしをしてもらいたいという思いがある。また、いい社員を安定的に雇っていないと、店がまわらない規模にまで成長したということがある。
「１号店を出した当時からずっといっしょにやってきたスタッフたちは、結婚して子供も生まれています。独立したい人には精一杯応援し、ずっとうちで働きたいという人には、経験と能力に応じて、相応の待遇を実現してやらなければいけませんから」
エピソードがオープンして約３カ月が過ぎた。「１号店のプロローグとは、パンのニーズがまったく違いますね」と山本さんはいう。「プロローグのある地域は、パンに理解のある人が多く、パン職人として提案したいものが、そのままお客様が求めるもの、ということが多いのですが、ここは少し事情が違います。やはり、調理パンや焼き込み調理パンがよく売れます。オープンしてから急きょ、焼き込み調理パンなどの品揃えを増やしたぐらいです」
山本さんは、客が求めるものは積極的に作っていかなければならないと考えている。ただ、それだけでは駄目で、店側からも食べてほしいパンを積極的に提案していかなければならないと考えている。客と店とのキャッチボールがあって初めて、店が繁盛すると考えているのだ。
「徹底的に試食を提供しています。レジでお客様にパンをお渡しするときに、『これ、よろしければ食べてみてください』といって、例えばパンドミだったら、スライスを２枚、個包装の袋に入れて渡すんです。今はとにかく、お客様に色々なパンを食べてもらう時期だと思っています」
パンステージ・エピソードの現在の売れ筋商品は、ベーコンを巻き込んだ生地を型に入れて、オニオンスライスとピザチーズなどをトッピングして焼き上げた「オニオンブレッド」（３７８円、ハーフカット１８９円）、調理パンの「コロッケコッペ」（２６２円）や「焼きそばコッペ」（２４１円）などだ。
日商は、現在、平日が３０万円、土曜日が４０万円、日曜日が５０万円だという。５年かけて、年商３億円の店にしたいという。
