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お店拝見/2004年11月号

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今はそういう時期 - プーフレカンテ

様々な観葉植物が配されたプーフレカンテ正面
愛知県名古屋市瑞穂区に最近優良店として名前が知られるようになったベーカリーがある。その名は「プーフレカンテ」。「日常のパンを提供し、近所のお客様に支持されたいと思っています」と淡々と話すオーナーの狩野義浩さんだが、そのベーカリー運営に対する姿勢は半端ではなかった。

住所 名古屋市瑞穂区豊岡通1丁目25
電話 052−858−2577
営業時間 午前8時〜午後7時
定休日 月曜日

材料納入業者14社と付き合う。材料選択にしがらみは禁物

売り場中央の平台には、ハード系のパンや焼き込み調理パンなどが並ぶ。


人気商品のひとつの「クローネ」。生地はクロワッサンで、中にはカスタードと生クリームを混ぜたフィリングが入っている。


同じく人気商品のひとつの「コッタ」。ナスやトマトなどをのせてピザ風に焼成。
まず、原材料だ。原料の納入業者は全部で14社ある。肉は近くのスーパーに頼んで一定の購入量を約束する代わりに、卸価格に近い値段で販売してもらっている。塩は沖縄の製塩業者から直接買い付けている。さらにはちみつは愛知県の養蜂業者から直接納入してもらっている。
小麦粉は全部で10種類を使用。パンの種類によってブレンドしたり、単独で捏ねたりと、使い分けている。油脂の種類も8種類と多い。「しがらみを出来るだけ排除するようにしています」と狩野さんはいう。顧客の求めるパンを作ることだけを判断基準にして、材料を買い付けているのだ。価格ももちろん重要だ。同じ物であれば当然安い方を選ぶ。それだけ顧客への売価を下げられるからだ。
「材料の納入業者が多いと、支払いなどの事務作業が煩雑になるのですが、そのデメリットより、理想とする材料が調達しやすいというメリットの方が大きいですね。業者どうしの競争も起こって、レベルアップできますし」(狩野さん)。一方で、納入業者に対しては、例えば新しい材料を使っての商品開発などを頼まれれば快く引き受けている。「無理を聞いてもらっている分、こちらからも貢献しないといけませんから」
業者に多少の無理を聞いてもらえるのは、日商30〜40万円を売り上げ、材料の使用料が多いという理由もある。

自分で作ったパンはいい場所に並べようとする。

グリッシーニには、エダムチーズを挽いて配合している。


「クランベリー」(右)と「白いちじくとクルミ入りフランスパン」(右)
並んでいるパンは、本格的なレトロバゲットなどのハード系のパンから、あんぱん、メロンパンなどの菓子パン、焼き込み調理パンまで幅広い。価格設定は全体的にリーズナブルだ。
フィリングやトッピングなどは、あんを除いてすべて自家製。手をかけた方がいいと判断したことについては手間隙を惜しまない。「できることはすべて自分たちでやります」(狩野さん)
「製販一体」もプーフレカンテの基本方針の一つだ。スタッフは狩野さんを含めて5人で、全員が製造と販売を行う。大まかなローテーションが決まっていて、後はそのときの状況を見ながらそれぞれが販売にまわったり、製造にまわったりする。最終的な判断は狩野さんがくだす。
「自分で作ったパンはみんないい場所に並べようとするんです。スタッフどうしが競争意識を持って互いが高め合うようないい循環になっていると思います」(狩野さん)
狩野さんは1日2時間しか睡眠をとっていないという。店にはシャワー室と睡眠をとるスペースがあって、店に泊り込むこともしばしばだという。「考えてみると24時間店にいることも多いですね。今は私にとってそういう時期だと思っています。寝食忘れてパンに没頭する時期なんです」

効率化すべきところと手間をかけるべきところ

ライ麦パンはスライスして袋に詰めて販売。


オーナーの狩野義浩さん
そんな狩野さんだが、労働条件を整えるための準備も着々と進めている。例えば、番重やトレーなどの洗浄はすべて洗浄器で行うなど、機械化すべきところは積極的に機械化しているのだ。
また、パンの製造について、数字での管理を徹底させている。例えば生地の仕込みについては、その日の室温、湿度、仕込み水などの量や温度などの理想的な組み合わせを割り出し、実際の仕込みに活かしている。
「もちろん何も感じないで機械的に数字どおりやっていてはだめです。生地と対話しながら生地の状態を感覚で把握することで、覚えていかなければなりません。しかし、数字で管理することも同じくらい重要だと思います。数字は人間の感覚を補ってくれますから」
狩野さんの今後の課題は店舗数を3〜4店にまで増やすことだ。そのコンセプトは、各店がそれぞれの個性を持っていて、しかも全体としての統一感があることだという。
現在考えている方法論のひとつはメインとなる生地を一カ所で仕込み、それを各店に運んで独自に加工し、焼き上げるというものだ。長時間冷蔵発酵法を考えている。各店はもちろんミキサーを含めて設備はフル装備で、各店で粉から仕込む商品も品揃えに加える。
3年から4年後までにこの構想を実現させたいと、狩野さんは考えている。そのための人材も現在の店舗で確実に育っているそうだ。

写真集


レジでの対応は素早く、笑顔を絶やさずに。

台風が近づいているというのに、店には客が絶えなかった。

レジスタッフの後ろの棚は予約済みのパンがたくさん並ぶ。

たくさんのパンが並ぶ陳列棚

店先には、小麦を挽く石臼が置いてあって、常時全粒粉を挽いている。

プーフレカンテは、名古屋市営地下鉄桜通線・瑞穂運動場駅下車徒歩約15分の街道沿いにある。

粒あん入りのデニッシュ。成形がユニーク。
あんデニッシュ
粒あんとカスタードクリームを混ぜ合わせたフィリングを包んだデニッシュ。
【配合グラム】
強力粉(スーパーカメリヤ)………………300
リスドォル(フランスパン用粉)……………700
全卵………………………………………100
砂糖………………………………………100
塩…………………………………………20
脱脂粉乳…………………………………30
生イースト…………………………………50
バター(練り込み)…………………50
水……………360
【工程】ミキシングL5分(スパイラルミキサー使用)、捏ね上げ温度21〜22度C、フロアタイム1時間、3つ折り3回、折込油脂対生地33%、最終生地厚2・5ミリ、成形→(1)約10センチ四方にカットし、中央に粒あんとカスタードクリームを2対1の割合(重量比)で混ぜ合わせたフィリングを1本絞る(2)[1]を2つに折りたたみ、綴じ目をシールする(3)綴じ目と反対側の長辺に1センチ程度の切込みを何本も入れ、切込みが広がるような形にする。ホイロ27〜28度C78%1時間10分、焼成上火230度C下火200度C13〜14分(生地を投入したらすぐに上火を210度Cに下げる)
※ミキシングの際、塩はあらかじめ水に溶いておく。
※焼成前に生地に卵を塗る。

新鮮で良質な卵をフィリングに使ったドーナツ
たまごドーナツ
バターロール生地でたまごフィリングを包んで揚げた商品。
【作り方】(1)1次発酵をとったバターロール生地を35グラムに分割して、50グラムの▼たまごフィリングを包む(2)ホイロは若めにとる(3)[2]にパン粉をつけて揚げる
▼たまごフィリング
(1)赤玉の卵を茹で殻をむく(茹で加減は半分に割ったときに黄身の中心に1ミリくらいの半熟の部分がある程度が理想的)(2)[1]を潰して卵に対して重量比16%のマヨネーズと、0・8%の塩を加える

クーベルチュールチョコレートを包んで焼き上げる。
スコーンドゥショコラ
クーベルチュールチョコレートを包んで焼き上げた上品な味のスコーン。
【配合グラム】
強力粉…………………………………650
薄力粉………………………………1450
ベーキングパウダー……………………40
全卵……………………………………630
牛乳……………………………………500
バター…………………………………580
砂糖……………………………………380
【作り方】(1)全卵と砂糖を混ぜ合わせる(2)[1]と残りの全材料をロボクープで混ぜ合わせる(硬めの生地)(3)(2)の生地を50グラムずつに分割して、細かく刻んだクーベルチュールを12グラム包み、かるく丸める(3)(3)の生地を上火230度C下火230度Cのオーブンで17〜18分焼成する(下天板をかます。生地をオーブンに投入したら、すぐに下火200度C上火200度Cに落とす)


店の前に置かれた石臼製粉機が印象的でした。使用する機械にもオーナーさんの思いが表れますよね。ちなみに、この石臼製粉機は、ブランスリー報道社もお付き合いがあるフェリス商会さんの製品です。
石臼製粉機


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